ここで紹介する作品は今現在、週刊少年マガジンで連載中の注目作品。
『不滅のあなたへ』
(2018年3月現在、既刊6巻)
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因みにこの作品の作者は2016年にアニメ映画化もされた『聲の形』という、ヒット漫画の作者「大今良時」の2016年よりはじまった注目の作品です。
ざっくりあらすじを言いますと。
地球外生命体(?)である、不死身の主人公がこの世界にて色んな土地の色んな人々と関わって変化、成長していく物語です。
(本当にざっくりですよ!)
では、なぜこの作品が今注目されているか。
その謎を幾つかの類似作品と共に考察していきたいと思います。
火の鳥のような壮大なテーマ
この作品を読んで、自分のようにまず頭に「火の鳥」の存在が浮かんだ方も少なくないのではないでしょうか?
そうです、あの漫画界の神様とも呼ばれている手塚治虫のライフワークともなった壮大な超大作です。
『火の鳥』とテーマが似ている!!
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類似点
- 不死身の存在が主人公
- 色んな土地や人々に影響を与える
- テーマが「死」と「再生」
因みに火の鳥での主人公とはタイトル通り「火の鳥」なのですが、その鳥は100年に1度自らを燃やし再生することで永遠に生き続ける不老不死の存在(不死鳥、フェニックス)で、また火の鳥の血を飲むことで永遠の命が手に入るということで、この物語に関わる色んな人々がその存在に魅了され翻弄されていきます。
けどここで
「不滅のあなたへ」と「火の鳥」とで
大きな違いが!
それが
主人公の成長
です。
火の鳥は色んな時代、土地、人々の前に現れますが。それはただ人々の前に現れいたずらに人々の心を乱していくだけで、何かに大きく影響されたり個人的に人々に寄り添うようなことはありません。
しかし「不滅のあなたへ」の主人公は、人々と積極的に関わっていきます。
いやむしろ関わらなくてはこの物語は始まらないのです!
どうしてかと言うと、実は「不滅のあなたへ」の主人公は始め、ただの球だったのです。

それがこの世界に放りこまれ、触れたもの、影響を受けたものへと姿を変えていきます。なので最初は一番初めにぶつかったただの石の姿になり、その後死んだオオカミに触れてオオカミへと変化します。(未だに謎ですが生き物に関しては死んだ存在にしか変身できません)
その後オオカミを飼っていた少年が死に、その少年に姿を変えるのですが、それ以降その少年の姿がメインとなり、その後関わる人から不死ということで「フシ」という名前をつけられます。

球は石となり、石に触れたオオカミへ

傍にいた少年が死に、オオカミから少年へ
球=モノリスという可能性
ここまで読んでみると。
じゃあ結局「球」って何なんだ?って思いますよね。
それで自分が思い出したもうひとつの有名な作品は
『2001年宇宙の旅』
という映画です。
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タイトルだけは知っているという方も多いのではないかと思うのですが、作品自体は見たことが無い…という方のほうが多いですよね。
ざっっっくり説明しますと!
地球外知的生命体が作った超高性能な機械が太古の地球に落とされ、それがサル達に影響を及ぼし知的生命体へとどんどん進化させ、最終的には進化した人間が宇宙を目指す。
というお話なのですが、その「超高機能な機械」が黒い長方形の石板のような形をした、通称「モノリス」とよばれるハイスペックコンピューター(?)なのです。

出典元:indeep.jp
元々モノリスは地球外に存在する知的生命体が、自分達と同じような知的生命体を作りだす為に宇宙にばら撒き、自分達と同じステージまで知能を発達させることを目的とされた道具だったようです。
実は「球」も元々自発ではなく、他者の意思によってこの世界に放り出されているのです。

ってことはやっぱりこの「球」も、もしかしてモノリス的な意味を持った存在なのでは!?
けど、ここでやっぱり
「球」と「モノリス」との
大きな違いが!
それが
進化する方が逆!
ということです。
そもそも「モノリス」は地球の生命体(サル)を高機能知的生命体(人間)のレベルまで進化させる為に作られた物体でしたが、「球」の放りだされた世界には既に人間は存在しており、また、それなりに独自の文化や知識も備わっていています。
そんな中、意思も無ければ知識も無かった「球」がそこに生きる人々に接していくことによって自らを変化、また成長させていくのです。(形だけでなく感情さえ)
過去の名作と似て非なる良作
ここに来て今回のこの「不滅のあなたへ」がどれだけ今後の展開に期待される作品か少しは分かって頂けたでしょうか?
誰もが一度は聞いたことのある「火の鳥」や「2001年宇宙の旅」などを彷彿とさせる壮大なテーマを扱っていながらも、あくまで「不滅のあなたへ」は少年マンガです。
そこのところもちゃんと無視してないストーリー作りにもなっていて、時々関わる人々との間でのやりとりがコミカルだったり、また少年マンガらしくしっかりバトルもします。
それでも読み終わると胸がじわっと熱くなるのは、人間を描くことに手を抜いていないからなんだと思います。
確かに主人公は人間とは違う存在かもしれない。けどフシと関わる人々はそれぞれに色んな思いを抱え葛藤しながらも今という限りある命を燃やしつくそうと様々な人生を送ります。そんな人々の傍でフシは何度も死に、死んでは再生してを繰り返します。
これからフシは
どこに行き、何になり、誰に出会い、なにを得るのか。

まだまだ6巻ですので今から読んでもあっと言う間に追い付きます!
皆さんもフシと一緒にこの世界を旅してみてはいかがでしょうか。
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